
みずうみへ向かう道
キャンバスにアクリル絵具、色鉛筆
15.5×22.5(cm)
2025年
相川風子
Fuko Aikawa solo exhibition
2025年5月24日(土)~6月8日(日)
12:00- 18:00
月火曜日 休廊
参加費:500円(お菓子付)
会場:ETHICA
岐阜市八幡町14-3 三輪ビル2階<ラ・ぺスカ上>
tel 058-207-8899

阿佐ヶ谷の街路樹
キャンバスにアクリル絵具、色鉛筆
15.5×22.5(cm)
2024年
相川風子|AIKAWA Fuko
1992年 新潟県生まれ
2019年 愛知県立芸術大学大学院美術研究科修了
<展覧会>
2017年 個展「目をすます」(gallery small view/ 東京)
2018年 個展「光るひとつ / 遠い流れ」(amala/ 東京)
2019年 グループ展「collection / selection: 10」(GALLERY CAPTION/ 岐阜)
2022年 個展「木々 / 手のひらの光」(百年、一日/ 東京)
2023年 グループ展「collection / selection: 12」(GALLERY CAPTION/ 岐阜)
2025年 個展「公園へ、」(百年、一日/ 東京)
<作品集>
「光るひとつ/遠い流れ」(amala books、2018年)
「木々、手のひらの光」(2022年)
「葉がささやき、光を隠した」(2025年)

紙に鉛筆、色鉛筆、アクリル絵具
2024年
ETHICAでは5月24日から6月8日まで、相川風子展を開催いたします。相川風子は、出かけた先で目にした景色や身のまわりの風景、また図鑑に掲載されているガラスや陶器の器や破片、石などを、主に色鉛筆やアクリル絵具を用いて描いています。
大学在学中、アトリエで植物を育てることに楽しみを覚えた相川は、やがてそれらをスケッチするようになります。それまで何か特別なイメージと主題を持って描かなければ作品にならないと思っていた彼女にとって、目の前にあるものをそのまま描く、ただそれだけのことが、とても新鮮で面白く感じたと言います。それはきっと作家が日常と出会った瞬間でもあったのでしょう。このことがきっかけとなり、散歩に出かけた道すがらや友だちの家、学校などで、気になった景色を写真に撮り、それをもとに日々を記録するように絵を描くようになります。
そして、何気ない街路や公園に茂る草木の影、窓から差し込む光を追うようにして描くことの対象が広がっていったのと同時に、図鑑のなかのイメージを描き写すことを始めます。丹念に描かれたガラスや陶器のオリエンタルな壺や破片、小石は、古の時間とともに図鑑に収められた壺や破片の存在そのものを絵として取り出そうとするというよりは、ただ自分が見たことに従って、その表面をたどっているようであり、また潔いその筆致は、身体を通して描かれた確かさの表れとして、目の前にあるものを素直に描くことの純粋な魅力を感じさせます。
絵を描くことについて、相川はこう記しています。
『絵は窓のようだと言われます。私たちの知覚する世界をトリミングして、永遠にそこに留めることができるからです。では、窓をこしらえるのが画家の仕事でしょうか。画家の仕事は自分自身が窓になることだと、私は思います。私は主に風景を描いていますが、風景が私という存在を通して新しい形で現れようとしているのだとしたら、それを曇りなく見せられる窓になりたいと思います。私はいま、小さくてところどころ歪な窓です。絵と私の関係が切実なものであるほど曇りは晴れていくと思います。』
(相川風子、2022年)
絵を描くこと以前に、世界を見つめ指差す存在でありたいという相川の言葉には、美術とは何かという問いが含まれているようにも思われます。本展では、今年2月に東京の「百年」と「一日」で同時開催した展覧会の出品作に新作を加え、展示いたします。是非ご高覧くださいますよう、ご案内申し上げます。