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envelope

as a door

GALLERY CAPTION 2020

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【茶話会:ドアとしての封筒】

9月23日(木・祝)

18:00-20:00

定員4名

案内人:鬼頭孝佳(名古屋大学院生・MLA研究所代表)

ETHICA

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9月23日に開催しました「茶話会:ドアとしての封筒」にご参加いただきました皆様、ありがとうございました。今回は、案内人の鬼頭孝佳さん(名古屋大学院生・MLA研究所代表)の発案で、事前に封筒を介した体験を皆さんと共にするべく、参加者とETHICA、そして鬼頭さんの3者の間で、お手紙のやりとりが行われました。お忙しいところ、皆さんそれぞれに取り組んでくださり、当日とても面白い結果となったのですが、この試みについてはまたあらためてご報告したいと思います。

茶話会は、鬼頭さんのちょっとしたパフォーマンスからはじまりました。秋分の日、いつの間にか日が早くなった「誰そ彼時」。八幡神社と円徳寺にはさまれた三輪ビルの窓とドアからは、岐阜市の中心部というのに秋の虫の声が聞こえてきます。

鬼頭さんが開いていた全ての窓を閉め、ドアを閉じると、ふと虫の声が遠くなり、場の空気がきゅっと縮まるような、かすかな緊張感に包まれました。そして「いま、思ったことを覚えておいてくださいね」と一言おいて、お話しがはじまりました。

とても濃密な2時間。

終始どこか不思議な感じがしたのは、鬼頭さんの語り口の所為でしょうか。皆さんとても楽しそうです。

会の終わりが近づいたとき「ドアを閉じたときのことを覚えておいてください、というのは、何だったのですか?」という質問の声があがり、鬼頭さんはしばらく考えられて、こう答えられました。

「ドアを閉じ、封をしたことで、あの時、皆さんも作品になったのですよ」

閉じられたドアのひとときの間に集まった皆さんの言葉と振る舞いが「場」へと変わっていくことを、何よりも今日、参加された方が、感じ取られたのではないかと思います。

「私たちが受け取っているものは、作品だけではないのではないでしょうか」

封筒をギャラリーに見立てた「envelope as a door」では、時に、送り手すら意図していなかったメッセージを、受け手が「封筒」からつぶさに感じ取り、そこからまたさまざまな物語がつづいていたのだということを、ローカル展示をきっかけとした参加者の方々とのやり取りで、初めて知りました。

そこで鬼頭さんが問うたのは「ギャラリーとはどんな場所なのでしょうか?」ということでした。

人、もの、さまざまに発せられるメッセージが行き交い、広がり、つづいていく。目に見えない物語が、内へ、また外へと向かって連なっていく場所こそギャラリーであり、そのドアはひとつではなく、どこがドアになったのかすら、その人次第なのかもしれません。

今回の展示では「envelope as a door」で、皆さんがどんなドアを、どんなふうに開けたのか、ご覧いただくことができているような気がします。

2021年9月24日

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