尹熙倉 「正方形の」
2024年11月2日-12月1日
尹熙倉 「何か #932」
陶粉、アクリルメディウム、木パネル
72.7×72.7(cm) 2014年
尹 熙倉 「正方形の」
Yoon Heechang: Square
2024年11月2日(土)-12月1日(日)
12:00- 18:00
月火曜日、および11月27日(水)休廊
*作家在廊日:11/2, 11/3, 11/16, 12/1
! ) 本展は作家の意向により、自然光で展示しております。
-正方形の-
『四角い形は自然界には発生しにくい形で、四角い形をしたものがそこに在るということは、誰かが意思を持ってそれを作った(そこに置いた)ということになる。つまり人間の生きる意思を表す。さらに四角い形は人間が発見した合理性の象徴のように思える。人間はその合理性の恩恵を受けてここまで発展し続けてきたが、同時にそのことに疲れてもいる。もっともありふれた形である四角にはもっとも素朴なLove & hateが込められている。』*
なかでも正方形や立方体は、さらに純度の高い合理的な均衡を持った特別なものだ。絵画においても正方形の画面には、描く側と見る側にそれぞれ特別な取り組みを求められはしないか。例えばテレビや映画のスクリーンのような長方形は、左右に動きやすい人間の目に都合が良いが、対して正方形という縦横の比率が均等な画面の中に、なかば押し込むように絵を描きそれを見るとき、私たちは上下左右の窮屈な視点の移動に従いながら、絵画という営みの特殊性を、あえていうなら崇高さを伴って受け止めていると思うのだ。
そんな正方形を発明するように見つけ出した先人の偉業に、敬意と戸惑いを感じ続けている。
尹 煕倉 2024年11月
*「Love & Hate at 大英博物館」(「視覚の現場 四季の綻び 2010.5 vol.5」醍醐書房2010年発行)より抜粋
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GALLERY CAPTIONにおいて個展としては11年ぶりとなる本展では 、初期から現在までに制作された陶粉画の中から特に「正方形の」画面に描かれたものと、新作の陶の立方体とを並置し、尹の活動を正方形から切り取り、眺めます。
press releace >>> (2024.9)
尹熙倉(ゆん・ひちゃん)
1963年兵庫県に生まれる。1986年東京造形大学造形学部デザイン科卒業。1988年多摩美術大学大学院美術研究科修了。1995年文化庁芸術家在外派遣研修でイギリスに1年間滞在。1997年イギリス レスターシャー ラフボロワ美術大陶芸科およびレンガ工場で3ヶ月間滞在し制作。2010年文化庁新進芸術家海外派遣研修で大英博物館にて特別研修(80日間)。現在 多摩美術大学工芸科教授。主な展覧会に、1993年「呼吸する壁」(岐阜市玉井町筋)、1997年「そこに在るもの」(静岡県立美術館)、2016年「人が大地と出会うとき」(愛知県陶磁美術館)など。
「Sand River Setouchi #1230」
瀬戸内で採集し焼成した砂、陶粉、アクリルメディウム
41×41(cm) 2017年
参考画像-「そこに在るもの」
陶 2012年
参考画像-
展示風景 「尹熙倉展 "一抹:a touch of powder"」
GALLERY CAPTION、2013年